インド旅日記

インド旅1ヶ月(スマホ無しで57歳の男が旅してきました)

インド旅22

インドを旅すると必ず体験すのがサービスに伴うチップの要求だ。リクシャやタクシーのドライバー、ホテルやレストランの従業員、ツアーコンダクターやパフォーマンスをする人達などはたいていチップを要求する。チップは本来支払うべき正規の金額に上乗せして支払うものだから強制されるものではないのだが、インドでは当然のように請求してくる。最初はそのことに違和感を感じていたが、旅を続けていくうちに気づいたことがある。インドでは今でも階級制度が残っており、底辺の人は仕事を持たない人が多く、たとえ仕事があったとしても満足なお金をもらっていない。つまり彼らにとってチップ事態が生活の資源になっているのだ。必死なのだ。お金を取れるところからできるだけ多く取ろうとしているだけなのだ。

 

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彼らはチップを要求すときに、決して自分たちの方から金額を言わない。これは「インドの交渉術」なのだ。サービスに対しての代償を決めてくれと主張し、こちらにサービスの査定を求めてくる。つまりその方がより多くのお金をもらえることを知っているからだ。特に日本人はこのやり方に弱いのではないだろうか。私たちは日本人は小さいころから周りの視線を絶えず気にするように教えられてきた。「どう思われるか?」「どう見えているか?」自分の本音の気持ちを隠しながら他人を意識するように教えられてきたのだ。そのため日本人の多くが、変な見栄を張ってより多くのチップをあげてしまうようだ。だからインド人にとって日本人は絶好のカモなのだ。私も最初に着いたデリーではかなりカモにされて、かなり高額なチップをあげてしまった。

インド旅をしたことで気づいたことがある。私自身も心の中に中途半端な見栄がたくさん存在していることと、そして他人によく思われようと自分の本音をごまかして生きていることである。日本では普通のことかもしれないが、インドでは全く通用しないのだ。