インド旅日記

インド旅1ヶ月(スマホ無しで57歳の男が旅してきました)

インド旅27

今回の旅が過酷な旅となったのは、インドに着いた初日に騙されて連れて行かれた旅行会社の無責任な行程表が原因だったのは事実だが、よく考えるとそんな旅行会社が当然のごとく存在するのがインドなのだ。たまたまではなくて、インドへ行けば起こるべきして起こったことなのだ。

なぜインドを選んだのか。インドの情報を全く知らなかった訳ではない。インドで被害にあった観光客のこともガイドブックやインターネットで知っていた。なのにインドへ行きたかったのだ。つまり最初から安全で楽しく旅行したいとは考えていなかった。旅するのに欠かせない便利なスマホも持って行かなかった。快適でぜいたくな旅になるような大金を使うことも全く考えなかった。むしろ最初から貧乏旅行をすると決めていた。つまり私は自分の人生を振り返るために、あえて自分を追いつめるような旅をしたかったのだ。そしてそんな旅ができる国がインドだったのだ。

だから今回のインド旅は自分が望んでいた旅だったのだ。本当に1か月間自分を追いつめることもできたし、自分というものを客観視することもできた。これは慣れ過ぎて緊張感など感じることのない日本での生活では絶対に味わえないものだ。

ブログを書き始めて、やっと自分でも本心を表せるようになったと思う。嘘を書いていたのではなく、自分の本心にたどりついたのだ。自分を追いつめるような旅を望んでいたなんて自分でもびっくりする。

旅とは現実逃避であることに違いない。日常と全く異なる場所で異なる食事をし、初対面の人と時間を共有し、思い出を作り出していく。そして旅は大きく2つに分けることができる。ストレスから解放されたぜいたくな旅か、新たなストレスで自分を追い込んでいく旅なのである。私はもちろん後者である。私はブログの中で今までにいくつかインドを否定したり、インドの悪口を書いたことを反省する。インドを評価するようなことを書いても仕方がない。インドはインドであり、絶対的なものなのだから。

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エローラの石窟寺院