インド旅日記

インド旅1ヶ月(スマホ無しで57歳の男が旅してきました)

インド旅20( Vol.2 )

日本という平和で恵まれた国に生まれ、そのまま生活を続けていると、何が本当の幸せなのか、何を目的に生きればいいのかさえ見えなくなっていた。過去は後悔、現在は不満、そして未来は不安と自己否定することばかりだった。インド旅は私の人生の折り返し点なのかもしれない。呼吸するためには絶対不可欠なものだとは頭ではわかっているが、ほとんど意識することはない「空気」に気づかせてくれたような気がする。人口が13億人もいるインドを1か月旅し、インドの生活、考え方、習慣、価値観などを体験するとインドにはない日本の「空気」がいっぱいあることに改めて気づかされた。インドの人はヒンドゥ教などかなり信仰に熱心だ。町の中を牛、イノシシなど普通に町中を歩く。そのため道路はフンだらけだ。町をきれいにすることよりも優先する理由は彼らの信仰があるからだ。汚い町は乞食を排除しないのだ。カースト制の身分差別も普通に存在する。乞食は当然であるかのように金を要求し、恵んでもらう。乞食の中には身体障がい者や老人などが含まれていて、インドという国は彼らを牛、イノシシと同じように排除しないのである。生かしているのだ。

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私はインドでかなりだまされた。デリーに着いたとたんデリーの観光局DTTDCと教えられて連れて行かれたところは「インディアン・トラベル・センター」という旅行会社だった。日本人と会わないようにわざと市内から離れた安いホテルばかりをブッキングする。インターネットで列車や飛行機を予約するが、キャンセル待ちの状態でもそのまま渡す。詳しい説明は一切しない。とにかく早くデリーを出発させ、あとは最後までたどり着くかどうかは本人次第といった感じだ。保証も責任もとらないのである。もちろん費用はけっして安くない。インドではだます方よりもだまされる方が悪いのである。ブッダガヤで、あるインド人がこんなアドバイスをしてくれた。『だまされたことをインド人に話すな。話せば同情するふりをして、だましやすい相手だと思ってまたその人もだまそうとするから』と。