インド旅日記

インド旅1ヶ月(スマホ無しで57歳の男が旅してきました)

インド旅21

私はスマホを持たずにインドを旅した。スマホがないと不便どころか絶対に旅行は無理だ」と友人に否定された。しかしスマホを持って行かなかった。というよりもスマホを購入しなかったという方が正しいだろう。私は今でもガラ系のケイタイ利用者なのだ。スマホを持っていけば便利なことはもちろんわかっているのだが、あえて持って行かなかった。理由は私のインドへの『旅』を旅行にしたくなかったからだ。旅と旅行は同じではないのだ。私の勝手な思い込みかもしれないが、旅行とはツアーのような行程が事前にすべて決まっているもので、なんとなく人任せという感じがする。それに対して旅は自分で行動を決める。行程もその日の状態や気分で自由に変えていけるのだ。

スマホは便利すぎるがゆえに『旅』を旅行に変えてしまうのだ。スマホは便利すぎるのだ。行動しなくても最短距離のベストな方法を選択できる。もちろんその方が失敗することや後悔することも回避できる。しかしそれは『旅』ではないのだ。私の考える旅とは不便なものでなければならない。失敗は旅の必要条件なのだ。スマホからの情報はベストかもしれないが、その通りの行程をたどればツアーの旅行と変わりはないと思う。

 

ということでスマホ無しでインド旅をした。すると想像以上の困難をいくつも体験した。やはりスマホ無しで一番苦労したのは長距離列車の旅だった。ローカル列車には駅名が表示される電光掲示板があったが長距離列車にはない。また止まる駅のアナウンスもしてくれない。自分の降りる駅は自分で探さなくてはならない。しかもインドの列車は時間が適当だ。遅れるのは当然で、特に長距離になると3,4時間なんて普通なのだ。駅の停車時間も適当だ。出発するベルの音もない。私は到着予定の時間を過ぎると、とにかく必死だった。ドア口に立ち、いつでも降りれる準備をし、駅に着くたびに車掌や乗客に確認した。しかし、英語が通じない人や適当に答える人もいるので、プラットホームのヒンディー語の下に小さく表示されている英語の駅名を自分で確認するしかなかった。今はインドもスマホが普及してるので、スマホを見れば到着時間が確認できるようになっているが、スマホを持たない乗客はみんな私と同じようなことをしていた。

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